「愛してる」って最近 言わなくなったのは 本当にあなたを愛し始めたから



これ、本当だと思うんだ。


14years old 番外編『アホエロ王子としては』



ぶっちゃけさ。
本当に、ぶっちゃけさ。
始めは、遊びに近いものがあったんだ。
彼女、作ってみようかな、ってぐらいで。
アイのことで、必死になってる、タクやケンの様子見てて、おもしろかったし。
俺も、加わってみようかな、って、そんなくらいだったんだ。


タク「なぁ、リョウ、お前、今度海とか行く気ない?」


そう、親友のタクが言ってきたのは、夏休みに入ってすぐで、俺は暑さでどうにかなりそうだった。


リョウ「海?なんでまた。」
タク「いや、クラスの女子に誘われてさ、女子四人だから、男子も四人にしなくちゃいけなくて。」


そんなこんなから始まって、ぶっちゃけめんどくさかった。
話を聞くと、男子は、タク、ケン、カズの3人がもうすでに決まっていた。まぁ、男子のメンバーは全然OKとして。
女子のメンバーはというと。


タク「女子?女子は、うちのクラスの松山ミワと、東城ナナと、小倉カナと、宮森アイ。」


うっわー・・・知らねぇ女子ばっか・・・。

・・・・ん?

宮森アイ!?


リョウ「おい、宮森アイって、去年俺が同じクラスだった、宮森アイだよな?」
タク「そうだけど。やったぜー、絶対狙ってやる。あの子、きれいなのにぶってなくていいんだよなー。笑顔超かわいいし、性格かなり良くてサバサバしてて大人しめなとことか、超俺好み。」


アイ・・・か。
結構懐かしく感じる。
なんかいい思い出ないな。
俺、嫌われてるみたいだったし。
まぁ、嫌われてるみたいだったから、俺もそれなりの態度とって・・・結構傷つけたかもな。
俺だって結構、アイツの外見はきれいだけどかわいいし好みだけど、性格、とんでもなくかわいくなかったし悪かったのを覚えてる。
もったいねー、とか、思ってた。
だから、タクがアイのことを好む理由がわからなかった。
外見で好きになるならまだわかるが、タクは性格の面でまで好きという。
でも俺はとにかくアイツの性格は悪いって思うし。
だから、その性格でさえも好きになる理由が、わからなかった。


タク「どうすんだよ?行く?てか、行ってくれないと困るんだけど。」
リョウ「まぁ・・・行って得するなら行くけど。」
タク「得する得する!じゃ、決まりな!」


そんな感じで、ずいぶんラフに決まったんだ。
俺が、あの海へと行くことは。



* * *



「ジャンケンポイ!!!」


夏休みの、部活終了後。
俺は、あの海へ遊びに行く、男子メンバーでジャンケンをしていた。
理由は。
ペア行動する希望女子の取り合い。
取り合いしている女子は。
なんと。
宮森アイ。
俺が、なんであんな好きでもないヤツの取り合いに加わっているのかと言うと。
理由は一つ。
みんなが揃いも揃って、アイを希望したため。
あれから、一緒に行く女子のことはそれなりに調べたっていうか見かけたんだけど。
みんな、揃いも揃ってかわいかった。
アイは、近頃見ていなかったけど・・・去年よりも、はるかにかわいくなっていたと思う。
女子全員、揃いも揃ってかわいいのに、どうしてアイを選ぶのだろう、と不思議だったが、こいつらの目には狂いはないとわかっていたので、とりあえず俺も一番よさそうなアイに立候補。
公平に、とジャンケンで決めることに。
そして結果は。


タク「ぬぁーーーーー!!」


あー・・・・。
俺の一人勝ち。
よかったのか?


ケン「うーっわ!!最悪!俺、宮森じゃねぇと嫌だ!!」
カズ「俺もできれば宮森がよかった・・・・。あー、誰にしよう!?やっぱ宮森がいいー!!」
タク「・・・リョウ・・・お前・・・めっちゃ得するぞ、宮森とペアなら。」


・・・よかったんじゃないか?



* * *



その次の日に行った、スポーツ用品店で。
スパイクを見に行ったんだ。
新しいのがほしくて、下調べ。
俺がスパイクを吟味していると。


リョウ「あ・・・。」


宮森アイがいた。



* * *



アイ「ちょっ、りょ、リョウ・・あ・・・そこ、やだぁ・・・。」
リョウ「・・・いいじゃん、このぐらい。」


今、え、もしかして最中!?とか思った人挙手。
だいたいの人手ぇ上げるよな。
すんません、残念ながらそんなんじゃないです。
俺の部屋でテトリスやってます、二人で。

今日はお部屋デート。(っていうらしい。アイが教えてくれた。)
つき合って八ヶ月。
もうすぐ俺らは三年生になる。


俺らのデートといえば専ら俺の部屋でまったりしてて、お互いリラックスしながら勉強したり、ゲームやったり、漫画読んでたりする。
気が向けば服屋とか、雑貨屋とかに出かけたり。
そんなときにも、お互い服の趣味とか合うし、買い物してて楽しかったし。
アイとのデートは、とにかく楽で、デートって感じがしなかった。
そんな楽ちんな関係になっていた。
でも、戸惑っていることが一つ。
俺、アイにかなりはまってる。
いや、つき合って八ヶ月も経ってるのに、あなた何言いんだすんですか、って思った人。実際そうなんだって。



* * *



リョウ「俺、アイのこと、好きみたいなんだ。」


あーぁ、言っちゃった。
いいのかよ、俺。
こんな事言って。
今さっき、気持ちに気付いたばっかなのに。
ヤバイ、急に照れてきた。


アイ「うん。」


・・・とことんおもしろいヤツだった。



水着片手にサッカー用スパイクを見ていたアイを、ノリで誘った。
で、ノリで話してみた。
・・・ノリと本気、4:6ぐらいの割合で告白した。

アイとつきあえたら、タクとかに自慢できるかな、とか、彼女作ってみようかな、とか、最初は考えてたんだけど。
決定打は、最近、タクに言われた言葉。

「リョウが心を開いてる人の前だと、リョウの性格が穏やかになる。」

というもの。
自分でも、よくわからない。というか全くわからない。
本当は、これを確かめるためにアイを利用しようとした。
一年生の初めの頃は、結構仲良かったし、とか思って、もしかしたら、アイならこの真実がわかりそうな気がした。
案の定、アイは俺の性格の変わった様子に気付いて。


俺も、アイに心を開いていることに気付いて。
久しぶりに近くで見て、アイはめちゃくちゃきれいになってたことに気付いて。
そして本当はすごく性格良いってことにも気付いて。
あの、同じクラスだったときの性格は、本当のアイじゃなかった、ってことにも気付いて。
今までアイに抱いていた、この後ろめたい感情が、恋心だってことにも気付いて。


気付いたら、告白してた。


だた、それだけだ。



* * *



アイ「ふーっ。疲れたー。」


アイが、俺の部屋のベットに横になる。
今となってはもう見慣れた風景だが、最初は緊張したなぁ。
誘ってんのか!?って。
いや、男はみんなそう思います。


アイ「ゲームってやりなれてないと結構疲れるー。」
リョウ「アイ弱すぎるから相手になんねぇよ。」


そうアイの言葉に返してから、俺もアイのとなりへとごろんと寝転がる。


アイ「リョウが強すぎるんだってば。」


アイは目を閉じて、ふとんに顔をうずめるようにした。
あー・・・かわいー。
そう思って、俺はそろそろとアイに近づく。
すぐそばに向かい合って寝てる形。
腕を伸ばしてそっと髪を撫でると、アイは、んー・・・、と、気持ちよさそうに声で反応した。
アイって、好きなんだよなー、俺に髪撫でられるの。
ま、俺も撫でるの好きなんだけどさ。
アイの髪、さらさらしてて撫でるの気持ちいい。
ゆっくりと撫で続けると、アイはちょこちょこ、ともっと俺に近づいて、俺の胸元に顔をうずめた。
あー・・・マジ、かわいい。
アイの背中に手を回して、優しくアイを抱きしめる。
アイって柔らかい・・・気持ちいい、抱きしめるの。


リョウ「アイー。」
アイ「んー?」
リョウ「ごめん。」
アイ「何が。」
リョウ「ちょっと謝りたくなった。」
アイ「浮気でもしたかー。」
リョウ「絶対ない。」
アイ「わかってますよー。」


ごめん、アイ。
今更だけど・・・告白する前の、いろんなこと、謝っておくわ。
これで、もう、お互いなんも後ろめたいことなんて、ない・・・?


アイ「じゃ、私もー。ごめん。」
リョウ「何が?」
アイ「実言うと、最初はリョウのこと疑ってた。」
リョウ「え?どんな風に?」
アイ「思わせぶり劇場してんじゃないかって。」
リョウ「ぷっ・・・。」
アイ「なんで笑うのー。」
リョウ「何だよ思わせぶり劇場って。」


最近好きとか言わないけどさ。
それは、本当に、君を愛し始めた、証拠なんで。
でも、今日ぐらいは、言ってやってもいいかな。
そして、しばらくお互い目をつむって、俺はアイの髪を撫でていた。


リョウ「アイー。」
アイ「・・・。」
リョウ「アイ?」
アイ「・・・。」


寝てる・・・。





リョウ「愛してる。」


俺は一人で照れた。






*あとがき*
リクの多かったリョウ君視点です。
なんかねー、うん、リョウ君以外とこんなエピソード眠ってたんですね。
読者からの反感が恐いわ・・・。
というかこの題名のネーミングセンス、どうよ管理人。






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