love story of friends
朝、登校中に見かけるお兄さん。
大好きな、大好きな、その人は。
紺色の作業服を着て、自転車に乗って、毎朝、出勤する。
私と、すれ違って。
ポルノグラフティの、ボーカルの昭仁さんにそっくりで。
きれいな顔立ち。
偶然にもその作業服のお兄さんは、私の友達のご近所さんで。
名前は、友田さん。
知ってるのは、名字だけ。
そう、たった、これだけ。
私が、彼について、知っていることは。
Love story of Friends
『紺色の作業服』
ひより「ゆりっ!ゆりっ!!」
こんにちは。
私、中田ひよりっていいます。
そして。
ゆり「あん?何?」
今さっき話しかけた彼女の名は、親友の西野ゆり。
ちょっと毒舌入ってるけど、大好きな私の親友です。
そして。
ひより「今日の朝もねー、友田さんに会ったのv」
私、中田ひよりは、恋に非常に近いものをしています。
そして。
ゆり「あぁ、例の、朝にときどきすれ違う、作業服のポルノ昭仁?」
恋している相手は、朝に、本当ときどきすれ違う、作業服のお兄さん。
こんなんじゃ、恋って言わないよねー・・・。
でも、いいもん、好きなんだもん。かっこいいんだもん。
ひより「かぁっこよかったぁ〜v」
ゆり「はいはい・・・よかったね。」
ひより「うん、よかったぁ☆今日一日いい日になりそう!」
そうなの。
見てるだけで、よかったの。
見てるだけで、すれ違うだけで、一目だけでも、見れるだけで・・・・よかったの。
幸せだったの。
* * *
ひより「あー・・・ねむぃ・・・。」
塾が終わってからの、本屋。
ただ今PM9:30。
いつもはこんな時間に本屋なんて寄っていかないんだけど。
参考書を買わなくちゃいけなくて。
それで、寄っていくことにした。
あー・・・今日も疲れた。
受験生は辛いな。
参考書買って、早く家帰って寝よう。
あ、でも今日ワン●ースの単行本新刊出る日じゃなかったっけ??
そんなことをぼんやりと考えながら、眠気に負けまいとするものの、おぼつかない足取りで歩く。
そんな足取りで歩いてたから。
どんっ!
誰かにぶつかった。
ひより「あー・・・すんません。」
一応謝っておく。
まぁ九割方私のせいだしさ。
謝っておけばそんなに怒る人なんて・・・
「あぁん!?どぉこみて歩いてんのかなぁ姉ちゃんよぉ!?」
怒られた。
うっ・・・酒くさ・・・。
中年おじさんの、酔っぱらいだ。
なんで本屋なんかに・・・?
ひより「す、すんません。」
酔っぱらい「すんませんで済んだら警察はいらねぇって言うだろぉ!?あぁん?」
うっわ・・・顔近・・・くっさー。
ヤバイかも、この状況。
周りを見渡してみると、こちらを見て見ぬ振りをする人たち。
こんの野郎・・・しけた世の中になったもんだ(誰)
でも誰かに助けてもらわないと・・・到底かないそうにない、こんな人。
どうしよう・・・。
酔っぱらい「あぁん?なんとか言ったらどうだい嬢ちゃん?それとも体でつぐなうってかぁ?」
そう、ニヤニヤしながらクソ親父は言ってくる。
ヤバイヤバイヤバイヤバイ!誰か助けて――――。
??「・・・すんません。」
酔っぱらい「あぁん?誰だてめぇ?」
??「・・・この子の彼氏ですけど。」
酔っぱらい「何だと?」
??「まぁとにかく・・・すんません店員さん。この人どうにかしてもらえますか。」
その、私を助けてくれたらしき人が呼ぶと、店員はささっとこちらにきて、その酔っぱらいを連れて行った。
あー・・・良かった。
お礼、言っておかないと。
そう思って、顔を上げる。
と。
??「・・・大丈夫ですか?」
ひより「―――!!」
私を助けてくれた、その人は。
あの、私が密かに恋をしていた、
作業服の、お兄さん。・・・・・友田さんだった。
* * *
ひより「本当に本当にありがとうございました。すみませんなんか・・・。」
友田「・・・別にいいですよ。こっちこそすんません、彼氏だなんて言っちゃって。」
ひより「いいえいいえ!あの、全然、かまわないんで・・・。」
どうしよう。
緊張しすぎて、ヤバイ。
実際こうやって近くで見ると、顔、整いすぎてるよ・・・。
かぁっこいい・・・。
鼻血出そう。
失神しそう。
あぁ、むしろ失神してくれ。
あの事件が終わった後、本屋の駐車場にて。
友田さんと二人、話していて。
私はペコペコと謝ってばかりだった。
やだなぁ・・・こういうの、慣れてないんだよ。
なんて言えばいいかわからない。
敬語とか、あんまり使ったことないし。
こういうとき、ゆりとかはしっかり対応できるんだろうな。
それに、友田さんすごい無愛想だし。
やだぁーどうしよう!
私が困って黙っていると。
??「ひより?」
誰かに呼ばれた。
―――この声は!!
ひより「ゆりっ!!」
ゆり「何してんの?こんな時間に。めずらしい。」
ひより「そ、それが・・・。」
私が軽く事情を話すと、ゆりはすぐ理解したみたいだった。
もちろん、私の目の前にいる人が、例の『作業服のお兄さん』だということも、気付いたみたいだった。
ゆりは、いつもこの時間に本屋に来ることが多い。
どんな夜遊びだコイツ・・・。
ゆり「あ、どーも〜。一応この子の友達の西野ゆりっていいます。すんませんこの子こういうの慣れて無くて。」
友田「あ、別にいいっすよ。俺は友田侑希って言います。」
ひより「あっ、えっと、その。」
焦りまくる私を制御して、ゆりは淡々と話す。
ゆり「この子は中田ひよりっていいます。ありがとうございました。なんか助けていただいたみたいで。」
友田「あー、いいっすよ。見てらんなかったし。」
そんなこんなで、ゆりの登場でこの場は収まった。
* * *
その日からだった。
私と友田さんの微妙な関係は、始まった。
相変わらず、友田さんは自転車で通勤することが多いみたいで。
ときどき、私とすれ違う。
そのとき目が合うと、今までとは違って、ぺこっとあいさつをしてくれるようになった。無愛想だけど、そうやってあいさつしてくれることが、最高にうれしかった。
最初は、見てるだけでよかったのに。
チャンスがやってきてしまうと、期待してしまうのは、女の性。
あいさつされるたび、私の心は弾んでしまう。
* * *
それでも友田さんは、車で出勤することもあるみたいで。
そんなときには、さすがに気付いてもらえないけど、でも、見かけられるだけでうれしかった。
ある日の日曜日。
ゆりと、出かけてたときだった。
ゆり「あ、私あの雑貨屋寄っていきたい。」
ひより「うん、いいよー。」
そんなことを言いながら、自転車を二人で走らせていた。
信号待ちのとき。
ゆり「あ・・・・。」
ひより「ん?何?」
ゆり「・・・なんでもない。知り合いだったかも、ってだけ。」
ひより「あ、そう?」
そして、信号が、青になった。
私たちは、また、何事もなかったかのように並んで走り出す。
そのとき、流してしまったけれど。
そのとき、まだ、私は真実を知らなかったけれど。
この先はしばらく、その真実を知ることはなかったけれど。
ゆりは、そのとき、車に乗った、友田さんを見かけていた。
助手席には、きれいな、きれいな、女の人。
私と、友田さんの、微妙な関係は、まだまだ続いていく。
end
*あとがき*
ラブ友第3弾! と言うことで。
またまたひよりの話です。
いやー、ひよりの話は書きやすいんです、この子純なんで。
今回の話はCoccoの妄想です。勝手に考えちゃいました☆(殴
でも実際ひよりは友田さんに値する人に憧れを持っています。
その気持ちが元のお話です。
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