そばかす





5,



晴彦「ふ〜ん・・・・まぁ、歌聴いてみなきゃ、わかんねぇけどな。」


三日後。
いつものように、田沼家の地下室にて。
俺は、平山さんのことを晴彦に全て話した。
弘樹は、なんだか納得いかないような顔をして、俺たちの話を聞いていた。


浩介「でも、性格もよさそうだったし、リスペクトも同じだし、学校も同じだし、かわいかったし!」
晴彦「なにぃっ!?かわいいのか、その子!?」
浩介「うん、結構。」
晴彦「芸能人で言うと?」
浩介「んー・・・・。」
弘樹「若槻千夏に似てた。」
浩介「あっ!確かに似てるかも。でも、なんか小倉優子にも似てたような・・・。真顔小倉、笑顔若槻。」
弘樹「あー、それもそうかもな。」
晴彦「はぁ?両方かわいいから別にいいけど、若槻と小倉って正反対じゃんか?」


やっぱり、かわいいとか気にするのか、コイツ。
まぁ、ビジュアルがいいに越したことはない。
でも、さっきから弘樹が乗り気じゃなさそうに感じるのは・・・どうしてだろう。
あの夜から、微妙に引っかかっていた。


浩介「弘樹、もしかして、平山さん入れるの、反対?」
弘樹「いや、あれで歌がうまけりゃ、全然かまわねぇよ。むしろ、同じ学校なら、練習しやすいし、あの子に入ってもらいたいって思う。」
浩介「じゃ、なんで?」


俺の問いに、弘樹はバツ悪そうにうつむいた。
重そうな口を、開く。


弘樹「いや、惚れてるだろ?浩介。」
浩介「はっ!?」
晴彦「なにぃ!?」
弘樹「いやー、まぁかわいいから気持ちはわかるぞ?浩介。」
浩介「・・・ったく。」
晴彦「おいおいおいおいどうなんだよ浩介!まさかお前バンドとか関係なしに誘ったんじゃねぇだろうな?かわいかったからって。」
弘樹「大人しそうな顔してよくやるな♪」


いや、半ばあってますけどそれ・・・・。


浩介「なんだよ、じゃ弘樹、そんなに問題ねぇんじゃん。」
晴彦「あ、この人うまく流しましたよ弘樹さん。」
弘樹「まぁ照れ屋なんですよ。」
浩介「・・・・。」


らちがあかねぇ・・・・。
そんなバカっぽい話をしながらも軽く合わせてたとき。


〜♪


俺のケータイが、鳴った。
電話だ・・・。
誰からだろう?
ごめん、と一言言って、ケータイのディスプレイを見る。

知らない番号。
誰だ?
とりあえず、電話に出る。


浩介「はい。」
??「長田君?私、平山藍子だけど。」
浩介「あっ、平山さん!?」


俺の言葉に、晴彦と弘樹が反応した。
二人とも、ぱっと、顔が明るくなる。


藍子「私、決めた!試しに歌わせてください。」
浩介「本当?今、弘樹とドラム・・・晴彦っていうんだけど、そいつも一緒にいるんだ。」
藍子「そうなんだ?」
浩介「・・・今から、家出てこれる?」
藍子「うん、出れるよ。」
浩介「じゃ、今から俺ら練習始めるし・・・平山さん、家まで迎え行くから、待ってて。今日、合わせてみよう。」
藍子「えっ!?今日?」


弘樹と晴彦が、なんだか小言を言いながらニヤニヤしてる。
こんの野郎ども・・・。


浩介「うん、大丈夫?」
藍子「いいよ、なんだか歌いたくてうずうずしてるもん、私。迎え来てくれるの?」
浩介「うん、すぐ行く。」
藍子「・・・ありがとう。じゃ、待ってるね、バイバイ。」
浩介「うん、じゃまた。」


電話の終話ボタンを押す。


弘樹「来るのかよ?藍子ちゃん。」
浩介「あぁ。迎え、行ってくる。」


ばかみたいにニヤニヤはやし立てる二人を置いて、地下室の扉を開ける。


大丈夫だ、彼女なら。
音にはうるさい晴彦だって、ちゃんと、認めてくれる。
そんな根拠もないことを思ったのは、それだけ、彼女を俺らの仲間にしたかった。







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